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※微ネタバレ注意!
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 異世界転生、剣と魔法の世界観、コメディ |
| 著者 | リュート |
| イラストレーター | 桑島黎音 |
| レーベル | カドカワBOOKS |
| 初出 | 小説投稿サイト「小説家になろう」 |
| 巻数 | 全10巻(完結) |
本作品との出会いはBOOKOFFとアニメイト
10年近く前かなぁ。いつものようにBOOKOFFで素敵なラノベを安く探していた時。ラノベコーナーの背表紙で、心惹かれるタイトルはあるかなと鼻息荒くしていたら、『29歳独身は異世界で自由に生きた……かった。』が目に留まったのよ。ラノベ主人公って10代が基本なのに20代、それも29ってもはや30だからおっさんやんけと当時30前後のおいらは思ったのを、今でも覚えている(ぇ
なろう系、異世界転生系がひとつのジャンルとして確立され、オタクじゃない人にとっても当たり前になってきた今となっては、29歳の主人公どころか、40代の主人公だって別に珍しくは無いけれど、当時の、なろう系ブームに乗っかり切れていなかったおいらからすると、29歳は年が行き過ぎているように感じたのよね(もはや懐かしい
それ以降もアニメイトで見かけたりとか、やたら視界に入ってはいたけれど、特に手に取ることなく、今日まで来ていたものの、ブックウォーカーの読み放題プランで、本作がリリースにされていることに気付きましてね。しかも全巻です。本作に限らず、またブックウォーカーに限らず、例えばAmazon Kindle Unlimitedとかもそうだけど、読み放題作品て、大概、はじめの1巻とか2巻だけじゃないですか。3巻や4巻まで読めたとしても、それは全何十巻もある作品のほんの数巻だけ。なのに、本作は、読み放題で最終巻まで読めるのです!古めの作品にありがちといえばありがちだけど、嬉しいことに代わりはに!
というわけで、38歳のおっさんになったおいらが、29歳の主人公の作品を堪能します!
29歳って若いよね(ぇ
あらすじ:剣と魔法の世界の王道ラノベ
タイシ
「面倒臭いのは嫌い
誰だって嫌で、俺だって嫌
だから、ゲームやライトノベルに逃げる
ゲームの中の自分は最強
自分に都合の良い世界、自由気ままに過ごせる時間
だから、なりたい
ゲームみたいなファンタジー世界の住人に…」
主人公は、三葉 大志(みつば たいし)
30歳直前のメタボ体型の契約社員
ある日、突然、目が覚めたらそこは異世界
剣と魔法に彩られた、慣れ親しんだファンタジーの世界
タイシの異世界転生時点での能力値は、一般人と大差なし。ただし、”経験を積めばこの世界の人々では及びもつかない力を得る”とは神様の談。レベルの概念があり、レベルを上げることでステータスが上昇し、スキルポイントも入手。スキルポイントを使用して、スキルを習得することが可能。物語開始時点のタイシは、元の世界での経験が反映されたスキル構成になっていて、格闘1・弓術1・調理1・交渉2。各種スキルの最大値は概ね5。1で経験者、2で有段者、3で師範級、4で第一人者、5で超人級といったイメージ。
異世界に転生した自分はどうすれば良いのかと尋ねるタイシに、神様は「好きにしたまえ。勇者になるもよし、悪党になるもよし。元の世界に戻る方法を探しても良いし、こちらに骨を埋めても良い」と仰せ。タイシは、もともと、母方の祖母とペットの犬との暮らしで、現実に対して不満を持っていたこともあってか、異世界転生に前向きなタイプの模様。神様の言葉もあってか、自由に過ごすことになり、まずは、近くの街へと向かう…
ノリが軽めのファンタジー作品。しかし、それだけじゃない。
導入は前述の通り。この後、街に辿り着いたタイシに待ち受けるのは、冒険者ギルドへの加入や拠点となる宿屋への到着、メインヒロインとの出会い、魔物退治での活躍といった、異世界転生系でお馴染みの、そして誰もが期待する嬉しい展開。本作品は、一般的な、なろう系の一人称文体で、登場人物も、良くも悪くも癖が無いタイプで、なろう系の王道的な作品だと思う。
しかし、ヤッちゃいます
これはビビった
タイシは異世界転生(転生というか転移っぽくみえるけれど)の影響で、メタボ体型ではなくシュッとした体格になり、また、年齢も19歳になっているので、導入だけ29歳で実質は19歳の冒険物語かと思ったら、とある展開から、メインヒロインとニャンニャンします(ぇ
100ページそこそこでニャンニャンまで至るとか展開が早すぎるというか、そもそも描いて良いんですかね(おそるおそる
もとは29歳ということもあってか、大人な展開もありなんですね(震え声
もちろん、あくまでも”ライトノベル”の範囲内での描写だし、こういう展開が好きな人にはオススメになるポイント。ありそうで中々無い気がするからね。個人的には、もっとピュアな感じの方が好みだけどね。
勇者に選定!しかし、キナ臭い… ※ネタバレ注意!
勇者とは、国家の枠を超えて魔族やドラゴンなどの強力な魔物を討滅する義務を負った、戦闘能力が規格外の存在。その代わりに、各国家は勇者を保護する。しかし、これはあくまでも建前。その実態は、勇者という制御の難しい戦力を飼い殺すためのもの。
本作は、”勇者”だからといってチヤホヤされるだけの物語ではありません。勇者だからこそ、殺しにかかってきます。魔物ではありません。同じ人間が、国家の政治的な損得で、襲い掛かってきます。その凶刃は、勇者であるタイシだけでなく、タイシの仲間であり、ヒロインであるマールにも及びます。マールを殺されかけたタイシは激怒。
※ここはネタバレ注意!
タイシ
「見えるか?見えるよな?お前のお仲間のクズどもだ。お前等は俺を殺しに来たんだろう?俺の大事なマールを奪いに来たんだろう?そうだよな?俺の大事なモノを奪おうとしたんだ、自分の大事なモノも奪われる覚悟は当然あるな?」
襲い来る暗殺者を返り討ちにしたタイシ。ここまでは当然。誰でも火の粉は振り払う。しかし、タイシはそれに留まらず、拷問を実施。襲い掛かってきた暗殺者13人のうち、生存者は7人。そのうちの1人だけを生かして、残り6人を惨殺。残った1人に対しても、徹底的に痛ぶって、精神崩壊まで追い詰めます。
勇者ってどうしても正義の人だから、残虐なことはしないのが基本。普通なら憎んだり、殺したいと思うような奴すら救おうとする、根っからの善人。不殺を信念とするキャラも非常に多い。だからこそ憧れるし、数多の作品でみてきたそんな彼らが大好きなんだけど、おいら個人の考え方とは異なるのも事実。しかし、本作の主人公、タイシは違う。敵対したものには容赦なく、一般的に”非道”とされることもやってのける。この点が非常に気に入りました。タイシの行動にもとになる考え方に共感できるのよ。殺しにかかってきたんだから、殺されたって文句言えないのに、それを理解していない存在が多すぎる。撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだの精神ですよ。
このあと、生き残った唯一の暗殺者フラムと再会して、奴隷となっていた彼女を買い取るわけですが、そこで彼女は「何故だ!何故あの時に殺してくれなかった!?あの時に殺してくれれば、殺してさえくれれば!私はこんな思いをせずに済んだのに!ぐっ、あっぁぁぁぁぁぁぁっ!」とのたまうわけですが、どの口が言っているのかな?と思うのよ。もちろん、そう言いたくなる気持ちは分かる。極めて自然な感情だよね。でも、自分から殺しにかかっておいて、その殺しにかかった相手に何で文句言っているのかなと。この手の発言するキャラをみるたびに思うんだけど、死にたいなら自分で死ねばいいのに。なんで殺してもらおうとするのか。甘えるるなよ(#´・ω・)
なんとか事態を解決したタイシは襲い掛かってきたカレンディル王国の国王と謁見
王様と話をつけて平穏を勝ち取り、1巻終了
終わりに
一人称の軽い文体が好きな方にもオススメ!
時折垣間見える、大人な展開が好き方にもオススメ!
- 等身大の主人公
- ストレートな異世界
- 強大な力を持つということの意味
上記3点は、あとがきで、作者様が当作品のコンセプトとして挙げているものです。
主人公のタイシは、並外れた精神力や意志力は無い。戦闘技術の達人でも無い。オカルトに精通しているわけでも無く、政治経済への深い見識も無い。何かしらの専門技術も無い。オタク趣味、サブカルチャーを広く浅く嗜んでいるどこにでも居る男として描きたいとのこと。
ストレートな異世界とは、魔法・魔物・神・勇者が当たり前に存在する世界。
強大な力を持つということの意味とは、武器を振るえば一振りで十人を薙ぎ払い、魔法を使えば一瞬で百人を消し炭に変え、両方を駆使すれば万の軍勢を粉砕する。そんな規格外の力を個人の欲望のままに振るわれたらその他大勢の人間は困る。そんな大勢の人間の思惑に巻き込まれ、翻弄され、最後には爽快にぶっちぎる。
この作者様のコンセプトは非常に分かりやすい。これらに共感できる人は、絶対に読むべき( *´艸`)

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