
サウロニクスへ向かうチャオ達。
サクッと現地に到着するかと思いきや…
え、ヴェイル?
ヴェイル、お前……賊を呼んだのかよw
いよいよ最終試練。
カイルまで加わって、
なんだか一気に「本番感」が出てきた。
そんな中。
何やら野営することになり、
しかも騒がしくなったと思ったら――

賊。
また賊かよ。
もはやいいのかまである。
こちとら賊のプロやぞ。

おいおい。
最終試練なのよ。
こんなところで普通に襲われてる場合か。
……と思っていたら、
ヴェイルが妙なことを言い出した。

んー?

え?

ヴェイル!
お前!
最高だよ!!!
いや、もちろん本人は必死に取り繕っている。
「逃げた」んじゃない。
「作戦」だったらしい。
なんという自己申告型ファインプレー。
しかも直前まで、
個人点数は今のところ一位。
自分は優秀。
お前らとは違う。
くらいの勢いだった男である。
そこからの、
賊にビビる。
この落差。
いいねえ!
待ってました!
これがおまいの実力なんだよなぁ!うぷぷぷw
「本当に賊を引き付けようとしたのか?」
当然、シーリーンにも疑われる。

そりゃそうだ。
おいらだって疑う。
むしろ、
信じる材料が少なすぎる。
ここで選択肢。
・「訓練と実戦は違うから。」
・「ヴェイルが嘘つくように見えるか?」
……二択の圧がすごい。
どちらを選んでも、ヴェイルに優しくない。
結局シーリーンも、
自分たちの経験が特殊だったんだろう、
と納得してくれる。
そうなんだよな。
ロヴェレ学園の生徒たち。
学生ではある。
でも、チャオ班はもう何度も「学生だから」で済まされない場所に立ってきた。
その差が、
こういう何気ない場面で出てくるのが面白い。
単純な点数だけでは測れない。
試験成績が一位だから強い。
それだけじゃないんだ。
実戦には、
点数表に載らないものが山ほどある。
まぁ、それにしてもここまでとはね。
情けなさが嬉しい。
今までバカにしてくれた分。
こっからはこっちのターンだ!
そしてサウロニクスへ――この名前だけでもう懐かしい
そんなドタバタを抜けて、
一行がたどり着いたのは――
サウロニクス。

うわぁ。
サウロニクスだ。
この名前。
この景色。
『幻想水滸伝V』を遊んだ人間は、
それだけで反応してしまう。
カイルも、
「久々のサウロニクスだ、楽しまないとね!」

そうだよ。
おいらも楽しむよ。
だってスターリープで、
またサウロニクスを歩けるんだぞ。
ゲームって不思議だ。
昔遊んだ場所なのに、
新作で訪れると、
まるで久しぶりに故郷へ帰ってきたみたいな気持ちになる。
もちろん、
こっちは一度も住んだことないんだけどな。
サウロニクス新市街――「その後」のファレナを見せてくる
さらに面白かったのが、
サウロニクスの新市街。
サキによると、
ここ数年で作られた区域で、
亜人種が多く移り住んできているらしい。
そして、
今のファレナは種族を問わず協力し、共存している。
新市街はその象徴かもしれない、と。
幻水Vの時代は…
というか、
ゴドウィン派は亜人排斥の主張が強かったからね。
リムの治世下になった今は、
亜人でももちろんな排斥なんてしませんよね、わかります。
単に、
「昔の街が出てきました!」
だけじゃなくて、
そこから時間が流れているのが良い。
あの物語のあと、
人々はどう暮らしているのか。
国はどう変わったのか。
街はどう広がったのか。
その答えを、
スターリープの時代から見せてくれる。
過去作キャラを出して、
懐かしいBGMを流して、
はいファンサービス。
それだけでも十分嬉しい。
でも、
こうやって「歴史が続いている」と感じさせてくれると、
もう一段嬉しいんだ。
ああ。
幻想水滸伝の世界は、
ちゃんとあの後も生きていたんだなって。
宿屋でサキが聞いてきた。「キミはなぜそんなに強い?」
その夜。
サキとチャオが二人になったところで、
サキが妙なことを言い出す。
「あれ、お願いしていいか……?」

もちろんさ。
チャオに変な感情なんてない。
いくらでも分け与えるさ。
ゴクゴク。
そして、サキからの質問。
チャオの強さについて。
キミはなぜそんなに強い?
賊が出てきても慌てない。
当然のように対処する。
その年齢で、
そこまで実戦に慣れている者はほとんどいない。
あぁ。
確かに?
言われてみればそうかもね。
おいらたちはチャオを主人公としてずっと見ているから、
いつの間にか当たり前になっている。
でも、
外から見れば異常なんだよな。
この少年、
経験値がおかしい。
年齢と修羅場の数が、
明らかに釣り合っていない。
でもなぁ、幻水IIからプレイをはじめているおいらからすると、
修羅場だらけすぎて違和感なさすぎるというかw
「守るために戦ってきたから。」
そこで出てくる選択肢。
守るために戦ってきたから。
それはサキも同じだろう。
おいらは、
この問いに対する答えとして、
「守るために戦ってきたから。」
これがすごく好きだ。
強くなりたかったからじゃない。
勝ちたかったからでもない。
誰かより上に行きたかったからでもない。
守らなきゃいけなかった。
だから戦った。
だから強くなった。
結果として、
その年齢には似つかわしくない経験まで背負うことになった。
幻想水滸伝の主人公って、
こういうところがある。
最初から英雄になりたい少年じゃない。
いつの間にか、
誰かを守る側に立たされている。
そして、
逃げずにそこへ立ち続けた結果、
後から「英雄」と呼ばれる。
順番が逆なんだ。
そこがいい。
「キミに守られる人は心強いだろうね」
そしてサキが言う。
そうか、キミに守られる人は心強いだろうね。
……いい言葉だな。
派手じゃない。
大げさでもない。
でも、
これまでのチャオを見てきた側からすると、
妙に刺さる。
サキだって。
チャオが守る対象の一人。
「……本気にしていいのか? その言葉。」
サキが聞き返す。
なるほど、そこ聞き返すんだ。
普段どれだけ言われ慣れてないんだよ。
でも、
ちょっと分かる気もする。
強い人間っていうのは常に守る側だからね。
それに、吸血鬼として心を開いてくることもできなかった。
だから、それはとんでもなく頼もしい。
強さの評価以上のものがあるように感じた。
終わりに:ヴェイルで笑って、サキでしんみりする。忙しい夜だな
今回、
前半だけ見れば完全にヴェイル回だった。
偉そう。
強がる。
賊が出て焦る。
言い訳する。
「作戦だった!」
……はいはい。
分かった分かった。
お前は優秀だよ。
たぶん。
ところが、
そこからサウロニクスへ着いて、
『幻想水滸伝V』の時間の続きを感じて、
最後にはサキとチャオの静かな会話。
感情の振れ幅がでかい。
でも、
こういうところがスターリープの好きなところでもある。
過去作キャラを見て懐かしくなって。
新キャラのしょうもないところで笑って。
知らなかった世界の続きを見せてもらって。
最後には、
主人公の生き方についてちょっと考えさせられる。
一つの章の中に、
いろんな「幻想水滸伝」が入っている。



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