
『幻想水滸伝 STAR LEAP』。
配信されてから、
まだ数日。
なのに。
もう何度、
「そういうの見せてくる!?」
と言わされたことか。
歴代キャラクターが登場する。
歴代BGMが流れる。
過去作を知っている人だけ、
ニヤッとできる小ネタもある。
それだけでも十分嬉しかった。
でも。
今回のお話は、
ちょっと違った。
昔知っていたキャラクターの印象そのものを、
20年以上経って更新してきやがった。
アキレス。
ハンフリー。
フリック。
そして、
この時代を生きる新主人公チャオ。
今回ばかりは、
懐かしい!
だけじゃ済まない。
『幻想水滸伝I』へと続いていく歴史を、
スターリープの側から改めて見せつけられた。
いやぁ……。
こういうのを待ってたんだよ!!!
アキレス、こんな正統派イケメン貴族だったのか!

まず驚いたのが、
アキレス・ランバート。
オデッサの婚約者。
その事実自体は、
昔から知っている。
でも。
恥ずかしながら、
おいらの中では長いこと、
「オデッサにはかつてアキレスという婚約者がいた」
くらいの、
歴史上の人物に近い認識だった。
ところが。
スターリープで実際に姿を見た瞬間クワッと目が見開かれた。
いやめっちゃイケメンじゃん!!!
金髪。
端正な顔立ち。
白を基調とした品のある服装。
立ち振る舞いも、
いかにも貴族。
しかも、
ただ家柄がいいだけではない。
帝国の貴族として、
ちゃんと自分の立場を持っている人物だった。
しかも改革派をまとめあげるリーダー。
民衆に慕われる人格者。
なるほど。
確かにこれは、
オデッサの婚約者にふさわしい。
20年以上経って、
ようやく腑に落ちた。
もちろん、
オデッサの隣に立つために、
イケメンである必要なんてない。
でも、
見た目だけじゃなく、
この後に見せる生き方まで含めて、
「ああ、この男だからオデッサと結ばれる未来があったんだな」
と感じられる。
スターリープ。
いきなり、
おいらの中にあったアキレス像を、
ものすごい勢いで補完してきた。
そして。
その横に出てくる男が、
また見事に真逆なんですよ。
クレイズ、知ってるのにもっと嫌いになれる無限の可能性

クレイズ・マイルス。
はい。
出ました。
…………。
お前の”いつも通り”が、今日も絶好調で嫌だわ
いや。
知ってるんですよ。
昔から。
クレイズがどういう人物なのかは、
『幻想水滸伝I』を遊んでいるから、
ちゃんと知っている。
なのに。
スターリープで描写を追加された結果、
昔よりさらに嫌いになった。
すげぇな。
普通、
過去作キャラクターを掘り下げると、
「実はこんないいところもあったんだ」
みたいな再評価が起こりそうなものなのに。
クレイズの場合、
「安定感だけは天下一品だな、嫌さにおいて」
が、
さらに強固になっていく。
むしろ、
安心感すらある。
このブレなさ。
帝国近衛隊という、
赤月帝国の中でもかなり高い立場にいながら、
その権力をどう使うのか。
アキレスの振る舞いと並べて見せられるから、
余計に差が際立つ。
身分が高い。
権力がある。
それ自体は、
善でも悪でもない。
その力を、
誰のために使うのか。
アキレスとクレイズ。
同じ帝国側の高い立場にいる人物なのに、
見ている方向があまりにも違う。
スターリープはここで、
単に「昔の悪役を再登場させました」
じゃなくて、
赤月帝国がなぜ腐っていったのか。
その空気まで見せてくる。
そして、
そんな帝国の中で、
アキレスは自分の選択をする。
オデッサを逃がすため、一人で残るアキレスがかっこよすぎる

追い詰められる、
アキレスとオデッサ達。
ここで。
アキレスは、
自分が助からないことを、
分かっていた。
それでも。
オデッサを逃がす。
自分は残る。
帝国兵の追っ手を、
一人で引き受ける。
…………。
いや。
かっこよさに殺されるところだった。
正統派貴族イケメン。
そんな第一印象だけでも十分だったのに。
最後は、
命まで張りやがった。
オデッサを守るために。
未来へつなぐために。
ここで、
「オデッサの婚約者」
という情報が、
ようやくおいらの中で、
ただの設定じゃなくなった。
オデッサが、
この男を愛していた。
この男と未来を歩こうとしていた。
そう思える人物として、
アキレスが立ち上がってくる。
そして。
何より重かったのが、
アキレスが残した言葉。
いつか、この“火”を継ぐ者が現れる。
そして、
腐敗を取り払う。
…………。
おいらたちは、
その未来を知っている。
「火を継ぐ者」を、おいらたちはもう知っている

これ、
スターリープから幻想水滸伝に入った人と、
昔から遊んでいる人とでは、
受け取り方がまったく違うと思う。
アキレスにとっては、
まだ見ぬ未来。
いつになるのかも分からない。
誰が立ち上がるのかも分からない。
ただ、
自分たちが倒れても、
いつか誰かが帝国の腐敗に立ち向かってくれる。
その希望を、
未来へ託す。
でも。
おいらたちは、
知っている。
この出来事から、
やがて時代が動いていく。

そして、
『幻想水滸伝I』へ。
ティル・マクドールへ。
あの少年が、
赤月帝国に立ち向かう。
もちろん、
アキレスがその名前を知ることはない。
自分の言葉が、
どこへつながっていくのかも知らない。
だからこそ、
重い。
過去作を遊んだ人間だけが、
その言葉の先にある未来まで見えてしまう。
昔遊んだ『幻想水滸伝I』では、
すでに起こった歴史だったもの。
それを、
2026年のスターリープで、
今度は歴史が作られていく側から見る。
こんなの、
ずるいよ。
20年以上前のゲームなのに、また物語が重くなっていく。
「アキレス。今、助ける。」ハンフリーがかっこよすぎる

そして。
絶体絶命の場面で、 現れる男。
ハンフリー・ミンツ。
「……アキレス。今、助ける。」
…………。
うおおおおお!!! ハンフリー!!!
いや。
おいら、
ハンフリーのこと、
嫌いだった歴史は一度もない。
強い。
寡黙。
実直。
その辺のイメージは、 ちゃんと持ってた。
でも、
どうしても個人的には、
歴代シリーズの中では、
ちょっと空気に馴染みすぎてる印象が拭えなかった。
それが。
今回、 盛大にひっくり返された。
お前、そんな隠し玉持ってたのかよ!!!
帝国近衛隊を相手にして、
画面の中で暴れ狂う。
強いとかいうレベルじゃない。
頼れるとか通り越してる。
なんだこれ。
日本で一番、
ハンフリーをかっこいいと叫んだ瞬間かもしれない。
それくらい体温が上がった。
スターリープを遊んでいて面白いのが、
まさにこういうところなんだよね。
昔からの顔見知りのはずのキャラクターなのに、
「こんな牙、隠してたのか」
と再発見させられる。
新キャラクターに一目惚れするだけじゃない。
20年以上前に握手したキャラクターと、 もう一度、恋に落ち直せる。
これ、 とんでもなく贅沢な体験だわ。
ハンフリーが見たカレッカの惨劇――ここで匂わせてくるのか

さらに。
ハンフリーについて、
スターリープはもう一段踏み込んでくる。
彼が目撃していたもの。
カレッカの虐殺。
…………。
ここで来るのか。
『幻想水滸伝I』を知っている人なら、
この名前だけで、
記憶の蛇口が全開になったろうね。
赤月帝国。
反乱。
虐殺。
そして、
その後の人物たちの選択。
それを、
「歴史上そういう事件がありました」
で済ませるのではなく、
ハンフリー自身が、
その現場を見ていた。
その記憶が、
彼という人物の中に残っている。
そういう形で、
スターリープから初代へ橋を架けてくる。
うまい。
ほんと、
分かってんなぁ。
過去作の固有名詞を出せばいいわけじゃない。
「カレッカですよ!」
と大声でファンサービスするんじゃなくて、
ハンフリーを知っているからこそ、
「ああ……」
となる”置き方”をしてくる。
この辺り、
スターリープの歴代要素の使い方、
好きのライン超えがひどい。
エギルとラグナル登場!敵側の戦力が一気におかしくなった
そんな歴史の重い話を見せられたところで。
今度は、
スターリープ側の物語が一気に動く。
登場するのが、
エギル。
そして、
ラグナル。
ツラナミが差し向けた、
二人組の刺客。
…………。
こいつら。
めちゃくちゃ強い。
エギルなんて、
あのハンフリーと渡り合っていたように見える。
待て待て待て。
さっき、
ハンフリーの強さを見せつけられたばかりなんですけど!?
そのハンフリーとやり合えるの!?
そして、
ラグナルもヤバい。
チャオ。
シーリーン。
ヒスイ。
これまで戦ってきた面々を相手に、
一人でほぼ瞬殺。
急に敵のレベル、
上がりすぎじゃない!?
こういう、
「今までとは明らかに違う奴が来た」
という空気。
好きなんだよなぁ。
ちゃんと、
絶望させてくれる。
主人公たちだけで、
どうにかなる相手じゃない。
そう思わせたところで。
また、
歴代シリーズから、
とんでもない男がやってくる。
若きフリック登場!チャオたちを瞬殺したラグナルを圧倒する

フリック!!!
いやぁ。
若い。
若いというか。
ちょっと幼いくらい。
知っているフリックなのに、
見た目からして新鮮。
でも。
そこに立っているのは、
間違いなく、
剣士という肩書きが、もはや添え物のイケメン。
チャオたちを一人で瞬殺した、
ラグナル。
そんな相手を前に、
フリック。
強い。
とにかく強い。
ラグナルを圧倒してる!!!
おいおい。
どんだけ異次元に強いんだよ。
ここ、
めちゃくちゃ気持ちよかった。
チャオたちが弱いわけじゃない。
むしろ、
ここまでちゃんと戦ってきた。
それでも勝てなかった相手。
その敵を、
歴代シリーズのキャラクターが、
明確な格上として圧倒する。
これで、
フリックという人物の強さが、
プレイヤーの感覚として分かる。
「設定上、強いキャラクターです」
じゃない。
さっきまで自分たちをボコボコにしていた奴を、目の前でボコボコにする。
分かりやすい。
めちゃくちゃ分かりやすい。
スターリープのハンフリーといい、
フリックといい。
歴代キャラクターを、
単なる顔見せで終わらせないのがいい。
ちゃんと、
「この人たち、強かったんだ」
と思わせてくれる。
「今が“やる”ときだ」フリックが新主人公の背中を押す

そして。
フリックがかっこいいのは、
強さだけじゃなかった。
倒れたチャオへ、
声をかける。
まだ終わっていない。
あんたの目は、
死んでいない。
今が、
“やる”ときだ。
…………。
頼れる、が事故ってるレベルのイケメン剣士!!!
何なんだよ、
この頼もしさ。
フリック本人が、
全部片付けてしまうことだって、
できたのかもしれない。
でも。
ここで主役を奪わない。
立ち上がるのは、
チャオ。
スターリープの主人公。
歴代シリーズの英雄が、
新作主人公の見せ場を奪うんじゃなく、
新しい主人公を立ち上がらせる役目を担う。
これ、
歴代キャラクターの使い方として、
めちゃくちゃ好き。
過去作ファンとしては、
フリックが活躍するだけでも嬉しい。
でも、
スターリープは、
フリックの物語じゃない。
チャオの物語だ。
そこを、
ちゃんと守ってくれる。
そして、
ここから。
主人公の時間が始まる。
謎の薬でラグナル超強化!そしてチャオ覚醒!

ところが。
そう簡単には終わらない。
ラグナルが、
母親からもらっていた、
謎の薬。
それを使ったことで、
一気に強化される。
…………。
また強くなるの!?
お前、
元からめちゃくちゃ強かっただろ!!!
せっかくフリックが来て、
「勝った!」
と思ったところから、
もう一度、
状況がひっくり返る。
そして。
そこで、
チャオが――
覚醒!!!
…………。
何!?
何の力!?
なんで!?
どうして!?
現時点では、
全然分からん!!!
でも。
強い。
めちゃくちゃ強い!!!
いい。
これでいい。
いや、
後々ちゃんと理由は知りたいよ。
めちゃくちゃ知りたい。
でも、
この瞬間は、
理屈より先に、
テンションが来た。
さっきまで、
どうしようもなかった敵。
仲間たちは倒れている。
絶体絶命。
そこから、
主人公が立ち上がる。
そして、
今までなかった力で、
状況をひっくり返す。
これぞ主人公!!!
おいら、
こういうの大好きなんですよ。
追い詰められて。
倒されて。
それでも、
仲間のために立ち上がる。
そして、
限界を超える。
RPGの主人公は、
こうじゃないと!!!
過去作の英雄がすごい。でも最後に立つのはチャオなのがいい
今回の流れを振り返ると、
かなり歴代キャラクターが強い。
ハンフリー。
強い。
フリック。
めちゃくちゃ強い。
過去作ファンとしては、
それだけで嬉しい。
でも。
スターリープがうまいと思ったのは、
最後に一番重要なところをチャオへ”返した”こと。
ハンフリーが全部救って終わり。
フリックが全部倒して終わり。
それだったら、
スターリープは、
歴代キャラクターの同窓会になってしまう。
でも、
違う。
昔の英雄たちは、
確かに強い。
頼れる。
圧倒的。
その背中を見たうえで、
今度は、
チャオが立つ。
スターリープには、
スターリープの主人公がいる。
これが、
すごく嬉しかった。
過去作を大切にすることと、
新作の主人公を大切にすること。
どっちかじゃない。
両方やる。
このバランス、
いいわ。
終わりに|スターリープを遊ぶほど『幻想水滸伝I』まで面白くなっていく
今回、
おいらの中で一番大きかったのは、
これかもしれない。
スターリープを遊んでいるのに。
なぜか、
20年以上前に遊んだ『幻想水滸伝I』まで、どんどん面白くなっていく。
アキレス。
昔から、
名前は知っていた。
オデッサの婚約者だということも、
知っていた。
でも、
こんな男だったとは知らなかった。
ハンフリー。
昔から、
強くて寡黙な男だと思っていた。
でも、
こんなにド派手にかっこいいとは思わなかった。
フリック。
もちろん、
頼れる剣士だと知っていた。
でも、
若い頃から、
こんな圧倒的な格を持っていたのかと、
改めて思わされた。
そして、
カレッカ。
帝国の腐敗。
アキレスが託した、
“火”。
その未来にいる、
ティル・マクドール。
一方で。
その歴史の中には、
チャオという、
今まで知らなかった主人公がいる。
昔知っていたものと、
今初めて知るもの。
その二つが、
どんどんつながっていく。
これが、
今のところ、
おいらがスターリープを遊んでいて、
一番楽しいところかもしれない。
懐かしい。
だけじゃない。
昔の幻想水滸伝を、もう一度新しくしてくれる。
20年以上前の記憶に、
2026年になって、
新しい意味が足されていく。
いやぁ。
スターリープ。
恐ろしいゲームだわ。
だって、
新作を遊んでいるだけなのに。
昔好きだった『幻想水滸伝』まで、また好きになっていくんだから。

コメント