
閉店するアミューズメント施設で「ロトのしるし」を発見

最寄り駅に、
大きなアミューズメント施設(?)があるのよ。
ゲームセンターというより、
ほぼUFOキャッチャー専門店。
クレーンゲームが、
ずらっと並んでいるタイプの場所。
そんな施設が、
もうすぐ閉店するらしい。
近所にあるからこそ、
いつでも行けると思っていた。
でも、
いつでも行ける場所ほど、
意外と行かないものだよね。
でも、
なくなると聞いた瞬間に、
急に惜しくなる。
人間とは、
勝手なものだと思いつつ、
せっかくだから、
閉店する前にもう1度遊びに行ってみよう。
そんな軽い気持ちで、
店内をぶらぶらしていた。
本当に、
少し遊ぶだけのつもりだった。
ところが。
見つけてしまった。
ドラゴンクエストの、
「ロトのしるし 小物入れ」を。
ロトのしるし。
この言葉を見ただけで、
もうダメだった。
だって、
ドラゴンクエストだよ。
RPG黄金期キッズの、
ど真ん中を突き抜けてくる作品じゃないか。
もちろん、
おいらも大好き。
最近は、DQ10の熱が再燃している。
ともあれず、グッズだが、
ただのキーホルダーではない。
アクリルスタンドでもない。
ロトのしるしそのものが、
小物入れになっている。
なんだ、それ。
欲しいに決まってるじゃん。
見た目も、
かなりちゃんとしている。
金属っぽい質感。
中央には、
赤い宝石のような装飾。
箱の写真を見ているだけでも、
妙に重厚感がある。
これは、
ちょっと欲しい。
いや。
かなり欲しい。
とはいえ、
おいらがUFOキャッチャーを遊ぶのは久しぶりだ。
だから最初は、
閉店してしまう施設への、
ちょっとしたお布施の気持ちだった。
取れなくてもいい。
少し遊んで、
「いい景品があったな」
くらいで帰ればいい。
この時のおいらは、
本気でそう思っていた。
そう。
この時はまだ、
約4000円を使うことになるなんて、
まったく知らなかったのである。
200円だけのつもりが、気づけば約4000円

最初は、
本当に200円だけのつもりだった。
200円で取れなくても問題はない。
むしろ、
取れないのが普通だと思っていた。
ところが。
実際に動かしてみると、
ロトのしるしが、
ほんの少し動いた。
ほんの少し。
本当に、
ほんの少しだけ。
でも、
動いてしまった。
これがよくない。
まったく動かなければ、
「これは無理だな」
と諦められたと思う。
しかし、
わずかでも景品が動くと、
人間は思ってしまうのである。
あと少しで、
取れるんじゃないか?
と。
そこで、
さらに200円。
まだ取れない。
でも、
さっきよりは動いている気がする。
もう200円。
やっぱり取れない。
ただ、
今度こそ少し近づいた気がする。
そうして、
200円が積み重なっていった。
200円。
また200円。
さらに200円。
一回ごとの金額は、
そこまで大きくない。
だからこそ、
やめどきが難しい。
1000円を超えたあたりでは、
さすがに少し考えた。
これ、
普通に買った方が安いんじゃないか?
でも、
ここまで動かした景品を残して帰るのも悔しい。
次に誰かが挑戦したら、
おいらが育てたロトのしるしを、
あっさり持っていかれるかもしれない。
いや、
おいらが育てたわけではない。
そもそも、
ロトのしるしは育たない(?)
それでも、
ここまで来たら自分で取りたい。
そんな気持ちが、
どんどん強くなっていった。
そして、
気づけば2000円。
まだ取れない。
3000円。
まだ、
落ちない。
このあたりまで来ると、
もはや200円だけ遊ぶつもりだった男は、
どこにもいなかった。
いるのは、
ロトのしるしを手に入れるまで帰れなくなった、
アラフォーのおっさんだけである。
それでも最後には、
なんとか落ちてくれた。
獲得口へ景品が落ちた瞬間、
うれしかった。
めちゃくちゃうれしかった。
同時に、
頭の中で使った金額を数えてみた。
約4000円。
……4000円。
200円だけのつもりだったのに、
約20倍である。
なかなかの出費だ。
冷静に考えれば、
ちょっと痛い。
でも、
取れたロトのしるしを手にした瞬間、
そんな気持ちは少し薄れた。
薄れただけで、
消えてはいない。
4000円は、
やっぱり4000円だからね。
ただ。
40歳になって、
UFOキャッチャーに4000円。
うん、全然悪くない。
何歳になろうが、
好きなものは好きなんだから。
そして、
好きなものを本気で取りにいった結果なら、
今回はこれでいいのである。
開封してみたら、想像以上に重厚なロトのしるしだった

約4000円をかけて、
ようやく救出(?)したロトのしるし。
家に帰ってから、
さっそく箱を開けてみることにした。
UFOキャッチャーの景品だから、
少し心配していたんだよね。
獲得口に落ちたとき、
結構な勢いで、
ドタン!
と音がしたから。
ただのぬいぐるみならともかく、
今回は金属っぽい小物入れである。
落下の衝撃で、
へこんだり、
傷がついたりしていないだろうか。
4000円使って、
開封したら壊れていました。
なんてことになったら、
さすがに泣く。
恐る恐る箱を開けてみると、
中にはビニール袋。
さらに、
分厚い発泡スチロールで、
上下からしっかり挟まれていた。
思っていた以上に、
がっつり守られている。
なるほど。
UFOキャッチャーの景品である以上、
最後には落下することが前提なんだ。
そりゃあ、
ちゃんと対策もされているよね。
少し安心した。
そして、
発泡スチロールから取り出してみる。
……重い。
想像していたより、
明らかに重い。
パッケージには約8センチと書かれているので、
決して大きなものではない。
手のひらに収まるサイズだ。
なのに、
持った瞬間、
ずしりとくる。
小さいのに重い。
この密度が、
なんともロトのしるしらしい。
感覚としては、
Switch 2に迫る重さである(←よく持って遊んでいる
見た目以上の重量感があるんだ。
表面には、
ロトの紋章を思わせる細かな模様。
中央には、
赤い宝石のような装飾。
裏側にまで、
しっかりと模様が入っている。
さらにフタを開けてみると、
内側には黒い布が貼られていた。
ただ外側の形を再現しただけではない。
ちゃんと、
小物入れとして作られている。
プライズ景品だから、
もっと軽くて、
簡素なものを想像していた。
でも、
実物はかなり違った。
重さもある。
模様も細かい。
梱包も丁寧。
これはひょっとして、
本当に4000円くらいの価値があるのでは?
そんなことまで思えてきた。
いや。
4000円使った自分を、
正当化しようとしているだけかもしれない。
それでも、
手に持ったときの満足感は本物だった。
UFOキャッチャーの中に入っていたときよりも、
家でじっくり眺めたときの方が、
さらに格好よく見える。
約4000円。
安くはない。
でも、
後悔もない。
ロトのしるし小物入れ、何を入れればいいんだ?

さて。
無事に手に入れた、
ロトのしるし小物入れ。
では。
何を入れよう。
…………。
何を入れればいいんだ?
小物入れなのだから、
小物を入れればいい。
それは分かっている。
でも、
ロトのしるしである。
なんでもかんでも、
適当に放り込むわけにはいかない。
輪ゴム。
クリップ。
余ったボタン。
そういうものを入れた瞬間、
勇者の証が、
ただの生活用品収納ケースになってしまう。
いや。
小物入れなのだから、
それで正しいんだけどさ。
でも、
なんか違う。
せっかくなら、
ゲームに関係するものを入れたい。
たとえば、
Nintendo Switchのゲームカード。
サイズ的には、
何本か入りそうである。
今遊んでいるゲームを一本だけ入れて、
「現在の冒険」
みたいな扱いにするのもいいかもしれない。
ロトのしるしを開けると、
中からシャイニングパールが出てくる。
世界観は、
完全に混ざっている。
でも、
おいらのゲーム棚なのだから、
それくらい自由でいい。
ほかには、
昔のゲーム機の小さな周辺機器や、
アクセサリー。
家の鍵。
小銭。
候補はいろいろある。
ただ、
鍵を入れたら傷がつきそうだし、
小銭を入れたら完全に財布である。
ロトのしるしを開けて、
100円玉を取り出す勇者。
ちょっと嫌だな。
でも、
UFOキャッチャーで失った4000円を思えば、
100円玉を貯めておくのも悪くない。
4000円たまった瞬間、
この小物入れの代金を回収した気分になれる。
自分のお金を、
自分で貯め直しているだけだけど。
ひとつ気をつけたいのは、
この商品には小型の磁石が使われていること。
パッケージにも、
磁気の影響を受けるものを近づけないように、
注意書きがある。
だから、
磁気カードや時計などを入れるのは避けた方がよさそうだ。
勇者の証を使って、
カードを使えなくしてしまったら、
あまりにも情けない。
結局、
まだ何を入れるかは決められていない。
でも、
それでもいい気もしている。
何かを入れなければ、
小物入れとして使っていることにならない。
そんなことはない。
机やゲーム棚の上に置いて、
ときどき手に取る。
フタを開ける。
また閉じる。
それだけでも、
十分に日常へ取り込めている。
ただ。
できることなら、
このロトのしるしにふさわしいものを、
何かひとつ入れたい。
不思議なきのみ。
世界樹の葉。
そのあたりが理想なんだけど、
残念ながら、
現実世界では手に入らない。
ひとまず今は、
何を入れるか考える時間ごと、
楽しんでおこうと思う。
グッズを押し入れに封印するのは、もうやめたい

おいらは、
グッズを買うのが好きだ。
ゲームでも、
ポケモンでも、
好きな作品のものを見つけると、
つい欲しくなる。
そして、
手に入れた直後は、
めちゃくちゃうれしい。
箱を眺める。
写真を撮る。
少し触る。
ニヤニヤする。
ここまではいい。
問題は、
そのあと。
大事だから、
傷つけたくない。
ホコリもつけたくない。
日焼けもさせたくない。
なくしたくもない。
だから、
いったん箱に戻す。
さらに袋へ入れる。
そして、
安全な押し入れの奥へ。
完璧だ。
これで傷つかない。
ホコリもつかない。
日焼けもしない。
ただし、
おいらの目にも入らない。
しばらくすると、
持っていることすら忘れる。
数年後、
押し入れを整理したときに発見して、
「こんなの持ってたんだ」
となる。
何度もやってきた。
大事にしているはずなのに、
存在を忘れている。
それは本当に、
大事にしていると言えるのだろうか。
もちろん、
保存用としてきれいに残す楽しみ方もある。
それを否定するつもりはない。
でも、
おいらの場合は少し違う。
保存したいというより、
使うのがもったいなくて、
判断を先送りしているだけなのだ。
いつか使おう。
いつか飾ろう。
もう少し部屋が片づいたら。
ちょうどいい場所ができたら。
そうやって、
「いつか」に預けたまま、
時間だけが過ぎていく。
でも、
おいらももう40歳である。
別に、
40歳になったから落ち着こうとか、
大人らしい部屋にしようとか、
そんな話ではない。
むしろ逆だ。
これまで好きだったものを、
もっと家の中に出していきたい。
ゲームのグッズ。
ポケモンのグッズ。
ドラゴンクエストのグッズ。
好きなものが、
普通に目に入る部屋で暮らしたい。
生活感のない、
おしゃれな部屋じゃなくていい。
おいらが見れば、
どこを見ても少し楽しい。
そんな家の方がいい。
今回のロトのしるしも、
箱に戻して押し入れへ入れれば、
きっときれいなまま保存できる。
でも、
それでは4000円を使って手に入れた意味が、
少し薄れてしまう気がする。
せっかくなら、
机の上でも、
ゲーム棚の中でもいい。
毎日、
目に入る場所へ置いておきたい。
中に何を入れるかは、
まだ決まっていない。
何も入れなくてもいい。
たまに持ち上げて、
この無駄に立派な重さを味わうだけでもいい。
それで、
「あの日、UFOキャッチャーに4000円使ったな」
と思い出せれば、
もう十分である。
傷がつくかもしれない。
少し色が変わるかもしれない。
でも、
使った跡や飾った時間も含めて、
おいらのグッズになる。
新品のまま残すことだけが、
大切にすることではない。
好きなものを、
好きなまま生活の中へ置いておく。
おいらはこれから、
そっちの大切にし方を選びたい。
だから、
このロトのしるしは封印しない。
勇者の証を、
押し入れの最深部にしまってどうする。
せめて、
おいらの家の中では、
堂々と表に出しておこうと思う。
終わりに|40歳から、好きなものに囲まれて暮らしたい

今回のロトのしるしを、
ひとつのきっかけにしたい。
そんな気持ちが、
ムクムクと湧いてきた。
部屋のあちこちに、
好きなゲームのグッズを飾りたい。
ドラゴンクエスト。
ポケモン。
これまで遊んできた、
いろいろな作品のグッズ。
家の中を見渡せば、
おいらが好きなものが、
自然と目に入ってくる。
そんな暮らしがしたい。
でもでも。
ここは、
おいら一人の家ではない。
家族がいる。
だから、
好きだからといって、
家中を勝手にゲームグッズで埋め尽くすわけにもいかない。
おいらにとっては勇者の証でも、
家族にとっては、
重たい謎の小物入れかもしれない。
なやましい。
好きなものに囲まれて暮らしたい。
でも、
一緒に暮らす人の居場所まで、
おいらの趣味で侵略したいわけではない。
となると、
まずは自分の陣地からだ。
とりあえず、
テレビの前なら、
割といろいろ置けそうである。
ゲームを遊ぶ場所なんだから、
ゲームのグッズが置いてあっても、
そこまで不自然ではない。
たぶん。
まずは、
ロトのしるしを置いてみる。
それから、
少しずつ増やしていく。
ポケモンも置きたい。
お気に入りのキャラクターも置きたい。
気づけばテレビの前が、
ちょっとした冒険者の酒場みたいになっているかもしれない。
それはそれで、
かなり楽しそうだ。
もちろん、
置きすぎてテレビが見えなくなったら本末転倒である。
撤去命令が出る可能性もある。
そのあたりは、
慎重に進めていきたい。
でも。
大切だからと、
箱に戻して、
押し入れの奥へしまう。
そして数年後、
持っていたことすら忘れてしまう。
そんなグッズとの付き合い方は、
もうやめたい。
40歳から、
好きなものに囲まれて暮らしたい。
いきなり家中を変えなくてもいい。
まずは、
テレビの前にロトのしるしを置く。
勇者の証を、
日常生活の中へ出してみる。
そのくらいの小さな一歩から、
始めてみようと思う。


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